最終更新日: 2017/12/28

2017年で1番の本「残酷すぎる成功法則」の要点を、ミニマリスト目線でメモ

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ミニマリストしぶ

少ない物で身軽に生活をすること、ミニマルデザインなグッズを収集するのが趣味。座右の銘も「少数精鋭」です。■ 「less is _ jp」監修デザイナー ■ Minimal Arts Inc 代表取締 ■ 著書「手ぶらで生きる」

「残酷すぎる成功法則」という本が、2017年おろか、人生で読んだ本でもベスト3に入るくらい面白かったので要点をメモします。

一言で言えば、かなり分厚い科学の本なんですが、これがミニマリストの僕にも参考になる内容だらけでした。

僕自身がわかりやすく見返せるように、ミニマリズムに関係する部分の引用文を並べています。

この記事の引用文出典:残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

 

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成功の秘訣は可能性を絞り、自分を”強調”すること

今日のポジティブ心理学の研究でも〝その人なりの強み〟を強調することが、幸せを手にする鍵であることが何度も証明されている。

さらに言えば、ギャラップ調査でも、日常生活で自分が得意なことに費やす時間が多ければ多いほど、ストレスが軽減され、よく笑い、周りから敬意を払われているとより強く感じると証明されている。

 

私たちの根本的な個性はそれほど変化しないことが研究でも示されている。

たとえば話すときの流暢さ、適応性、衝動性、謙虚さなどは、幼少期から成人期を通してほぼ変わらない。

 

すなわち、仕事人生(さまざまな職種、多様な業界、ありとあらゆるキャリアに及ぶ)で成功するには、「自分を知る」の一言に尽きる。

とくに、自分が望むことを人生で成し遂げるためには、何よりも自分の強みを知ることだ、と。

 

自分を知るとは「不正解の可能性を潰していくこと」とブログでもお話しました。

自分の才能を知らずに、投資する場所を間違えると、それこそ才能の無駄遣い。

参照記事:自分を知るとは、可能性を絞ること

 

人は得るよりも失う方が怖い「損失回避バイアス」

認知バイアスとは、私たちの脳内に備わった、意思決定を早めるためのショートカットのことだ。役に立つことも多いが、合理性を欠き、バイアス(偏り)を生じてしまうことも多い。

その代表的なものに「損失回避バイアス」がある。たとえば、一ドルを得る喜びと、一ドルを失う苦痛は、合理的に考えれば同等のはずだ。しかし人間の心理はその通りにいかない。一ドル失うときの痛みのほうが、一ドル得るときの喜びよりはるかに大きく感じられる。

 

だから私たちは進化の過程で、獲得を喜ぶより損失を恐れる回路を組み込まれてきたのだ

 

物を増やす人がたくさんいても、減らす人が少ないのはこれが理由です。

捨てる・減らすに関しては意識しないと実行できない。

 

「早く失敗して、損害を小さくしよう」

コーネル大学の心理学教授、ティモシー・ギロヴィッチによれば、人びとは、失敗したことより行動を起こさなかったことを二倍後悔するという。

なぜだろう? 私たちは失敗を正当化するが、何も試みなかったことについては、正当化できないからだ。

さらに、歳を重ねていくにつれ、人は良いことだけ覚えていて、悪いことは忘れてしまう傾向にある。

そんなわけで、単純に多くのことを経験すればするほど、年老いたときに幸福感が増し、孫に聞かせる武勇伝も増えるというわけだ。

 

シリコンバレーでも昔から「早く失敗して、損害を小さくしよう」と言われてきた。

 

失敗は恐れず、失敗を浴びるくらい身軽に動くのがベスト。

「積み減らしの人生」を送るためにも、失敗を積むことが不可欠です。

参照記事:人生は長し、無駄を知れよミニマリスト

 

「ありがとう」は長続きの秘薬

時間を割いて、ありがとうと伝える──これほど簡単なことを、なぜ私たちはなおざりにしているのだろう?

こうした傾向を、心理学者たちは「快楽適応」と呼び、私たちは「ありがたみを忘れる」と呼ぶ。

あなたが新しい家を初めて買ったとき、生涯で最高に素晴らしい出来事だと思った。

ところが一年後、もう屋根の修理が必要になり、とんだ金食い虫だと思う。

新しい出来事による幸せは、決して長続きしない。そしてこの現象は、何に関しても起こる。

 

ミニマリストになってから物が減り、1つ1つのありがたみが分かるようになりました。

逆説的ですが、減らすと感謝できるようになる。

参照:物を減らすと、1つ1つのありがたみが嫌でも分かる

 

 

つままれる人「チューザー」ではなく、選ぶ人「ピッカー」になろう

人は選ぶことが好きで、とくに二一世紀は、私たちにほとんど無限に近い選択肢を与えている。

テクノロジーの進歩により、一日のどの時間にも仕事をするという選択肢を持っている。

職場の扉は、もう五時で閉まったりはしない。友人と過ごしたり、子どもと遊んだりする時間もすべて、働こうと思えば働ける時間になった。

つまり、一瞬一瞬をどう過ごすかという決断が自分自身にゆだねられている。

この決断は、過去にはなかったものだ。そして、たえず頭の奥でこの決断を迫られていることは、もの凄いストレスになる。

 

かつて世界はあなたにあまり選択肢を与えず、思うようにものごとが運ばなければ、それは世界のせいだった。

あなたにはどうしようもないからだ。ところが今、あなたに一〇〇もの選択肢がありながら、選択を誤ると、責任はあなたにシフトする。もっと良い選択をできたはずだからだ。

ここに問題がある。私たちは選択権を持つことが好きだ。しかし選択をすることは嫌いだ。選択肢があることは、可能性を意味するが、選択することは、その可能性を失うことを意味する。そして選択肢が多いほど、後悔する機会も増えることになる。

 

「つままされる人(ピッカー)」ではなく、「選ぶ人(チューザー)」になるべきだと提唱する。「つままされる人」は選択可能なオプションの中からつまみ取るので、目の前の選択肢によって誤った二分法に導かれる場合がある。

しかしそんなとき「選ぶ人」は、どの選択肢も満足がいくものでないと判断し、もし本当に正しい選択肢を望むなら、自らそれを生みだすほかはない、と結論をくだす思慮深さを持つ。

 

「自分で選ぶ」ことをサボってきたから、余計な荷物を背負わせてしまう。

ミニマリストが選ぶ人「チューザー」ですね。

参照記事:余計な荷物を背負わされるのは、いつだって「受け身」なYESマン 

 

テレビの満足度は13%

私たちは往々にして楽なものを選んでしまい、自分を本当に幸せにしてくれるものを選ばない。心理学者のミハイ・チクセントミハイによると、一〇代の若者がテレビを見ているとき、本当に楽しいと感じたのは、視聴していた時間の一三%だけ。

趣味に興じていたときには三四%、スポーツをしていたときには四四%が本当に満足した時間だった。

で、一〇代の若者が最も頻繁に選んでいるのはどれか? 彼らはほかの娯楽の約四倍もの時間を、テレビ視聴に費やしていた。計画がなければ、私たちは本当に満足感が得られるものではなく、受け身で楽なものを選択する。

 

「受動的な楽しみ」と「自分で生産する楽しみ」の違いですね。

受け身な楽しみほど、満足度が低いということ。

参照記事:モノの奴隷を抜け出したいなら、消費じゃなく生産する側に回れ

 

自由時間を増やすだけでは、幸福度は上がらない

二〇〇〇人近くの小企業事業主を対象にした調査では、彼らの五〇%以上が週に四〇時間以上働いていることがわかった。仕事内容も決して楽ではない。四一%は、経営者になってストレスが減ったと答えたが、三二%はストレスが増えたと回答した。ところが、じつに七九%もの人が小企業の経営者になったことに満足し、七〇%は自身のライフスタイルに喜びを感じていた。前に述べた調査での、雇用者が仕事に満足している割合に大差をつけている。労働時間もストレスも変わらないが、事業主ははるかに満足度が高い

 

幸福度研究に関する専門誌『ジャーナル・オブ・ハピネス・スタディーズ』誌に掲載された四〇三人を対象にした調査によると、自由時間を管理することこそ、人生の質を向上させることが明らかになった。興味深いのは、たんに自由な時間を増やしても人びとの幸福度に何の影響もなかったが、その時間の過ごしかたについて事前に計画を立てると結果が大違いだったことだ。

 

一日に数回まとめてチェックし、メールを処理したり、電話を返したり、あるいは、書類の整理をする。そしてこの作業タイムが終わったら、メールの通知機能をオフにし、電話もサイレントモードにし、重要な仕事に戻る。

 

この作業タイムを日程に組み込み、可能な限りコントロールし、深い仕事を侵食させないことだ。

 

予定を組むうえで、もう一つ肝に命じておくべきことがある。あなたがこれまでに達成してきた全てを台なしにしないために大切なことだ。「ノー」と言えるようになろう。

 

ウォーレン・バフェットの言葉を借りるなら、「成功した人と大成功した人の違いは何かと言えば、大成功した人は、ほとんどすべてのことに『ノー』と言うことだ」

 

「最大化人間」よりも「満足化人間」になれ

多くの選択肢があるとき、人は二つの方法で対処する。「最大化」と「満足化」である。

「最大化」とはすべての選択肢を探り、品定めし、最高のものを得ようとすることだ。

「満足化」は、自分が必要とするものを考え、そのニーズを満たすと思った最初のものを選択する。

満足化は、「これで充分」なものを得て満足する生き方だ。

 

卒業後に最高の仕事を得ようとする「最大化人間」の学生は、給与が平均より二〇%高いなど、結果として条件の良い仕事を手に入れる。

ところが結局のところ、彼らは「満足人間」に比べて仕事への満足感が低い。

「最大化人間」はもっと良いものがあるのでは、と果てしなく探し続けるので、もっと良い選択があったのにと後悔することが多い。

 

しかし人生のほとんどの局面では、「最大化」はむしろ私たちを不幸にする。

ノーベル賞受賞者で、「最大化」「満足化」の概念を生みだしたハーバート・サイモンは最終的に言った。

ストレス、成果、努力などすべての要素を含めて判断した場合、じつは「満足化」こそが「最大化」する方法であると。  

 

完璧主義の傾向が強い人びとは、配偶者と満足な関係を持てる可能性が三三%低いとの研究結果もある

 

リー・シュワルツが私に言った言葉を覚えておいてほしい。

「これで充分」は、だいたいの場合、「充分に満足」なのだ。

 

「少ない持ち物の1つになるのだから、そのぶん上質な物を揃えないと」

物を絞って、量より質を重視するほど、そんなジレンマに陥ってしまいます。これは要注意。

参照記事:「最大化人間」より「満足化人間」のほうが人生の幸福度が高い

 

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