「最大化人間」より「満足化人間」のほうが人生の幸福度が高い

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ミニマリストしぶ

少ない物で身軽に生活をすること、ミニマルデザインなグッズを収集するのが趣味。座右の銘も「少数精鋭」です。■ 「less is _ jp」監修デザイナー ■ Minimal Arts Inc 代表取締 ■ 著書「手ぶらで生きる」

「少ない持ち物の1つになるのだから、そのぶん上質な物を揃えないと」

物を絞って、量より質を重視するほど、そんなジレンマに陥ってしまいます。

もっと良いものをと、比較すればするほど、他にも良いものがあるんじゃないかと。

 

そこで参考になるのが「最大化 / 満足化」という考え方です。

当ブログでもおなじみ「選択のパラドックス」を唱えた、バリー・シュワルツさんの研究成果によるもの。

多くの選択肢があるとき、人は二つの方法で対処する。「最大化」と「満足化」である。

「最大化」とはすべての選択肢を探り、品定めし、最高のものを得ようとすることだ。

「満足化」は、自分が必要とするものを考え、そのニーズを満たすと思った最初のものを選択する。

満足化は、「これで充分」なものを得て満足する生き方だ。

ー中略ー

卒業後に最高の仕事を得ようとする「最大化人間」の学生は、給与が平均より二〇%高いなど、結果として条件の良い仕事を手に入れる。

ところが結局のところ、彼らは「満足人間」に比べて仕事への満足感が低い。

「最大化人間」はもっと良いものがあるのでは、と果てしなく探し続けるので、もっと良い選択があったのにと後悔することが多い。

ー中略ー

しかし人生のほとんどの局面では、「最大化」はむしろ私たちを不幸にする。

ノーベル賞受賞者で、「最大化」「満足化」の概念を生みだしたハーバート・サイモンは最終的に言った。

ストレス、成果、努力などすべての要素を含めて判断した場合、じつは「満足化」こそが「最大化」する方法であると。  

ー中略ー

リー・シュワルツが私に言った言葉を覚えておいてほしい。

「これで充分」は、だいたいの場合、「充分に満足」なのだ。

出典:残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

”満足化”と聞いて思い出すのが、「無印良品」と「蓮舫議員」です。

無印良品の商品って、他社の高級ブランド品と比較した場合だと、値段も品質も超一級とは言えません。

ですが、ポジティブな「これで良い」というデザインや品質が、多くの人に受け入れらている。

 

それともうひとつは、スーパーコンピューターの開発予算で妥当性を審議した蓮舫議員の発言です。

「世界一になる理由は何があるんでしょうか? 2位じゃダメなんでしょうか?」

(とにかく世界一を取ることが目的になっていて、なぜ世界一の性能を目指すのか説明がなされなかったため)

 

結局は完璧主義で成果を求めすぎても、むしろ逆効果になるということですね。

 

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