ミニマリストしぶのブログ
2026.09.10 片付け

貯金8000円、1LDKが物で埋まった27歳の部屋。8時間半・ゴミ袋25袋で「物の所有はコスト」を体で覚えた日

貯金8000円、1LDKが物で埋まった27歳の部屋。8時間半・ゴミ袋25袋で「物の所有はコスト」を体で覚えた日

「貧乏な人ほど物が散らかっていて、お金持ちの家は整理されている」。僕はよくこの話をします。言葉は強いのですが、根拠があります(詳しくは貧乏人の家に物が多い理由に書きました)。

今回はそれが、いちばん生々しい形で出てきた回でした。

床が見えなくなった1LDK。この部屋を8時間半かけて片付けました

片付けに行ったのは、友達のほなみん。27歳、神奈川の1LDKで愛犬と暮らしています。元DJ、元アイドル、元ライブ配信者。フリーランス時代は、少ない月でも100万円くらいもらっていて、家賃15万円の部屋に住んでいました。

その頃の部屋は、めちゃくちゃきれいだったそうです。

今は会社員になって、収入が大きく減りました。貯金は8000円。部屋は床が見えません。

僕自身も実家が自己破産していて、裕福だった家がどんどん散らかっていく過程を見ています。だから他人事ではありませんでした。

来月引っ越すことが決まっていて、「極力物を減らして引っ越したい」と正式に応募してくれたので、片付けに行ってきました。

玄関から散らかっている。1LDKに何があるか、本人も把握していない

玄関。入った時点で物が置かれている

お邪魔します。もう玄関から散らかっています。傘が3本、靴、犬のバッグ。

キッチン。天然石のプレートや完全食が並ぶ

キッチンに入ると、突っ込みたいところが多すぎて情報量で酔いました。天然石のプレート(将来の夢は天然石屋さんだそうです)、リスナーさんが送ってくれた完全食。

豆苗だけは毎日水をあげて育てている

そして豆苗。部屋はこの状態なのに、豆苗だけは毎日きちんと水をあげている。こういうところが面白い。

開けた冷蔵庫。棚はほぼ空で、扉に調味料が並ぶだけ

冷蔵庫を開けさせてもらったら、思ったよりスカスカでした。ただ、シンクまわりにはカビの生えたものがあって、においも出ている。

捨てる日が面倒で放置されていた段ボール

段ボールは「捨てる日付がめんどくさすぎて放置していた」とのこと。

ここで一旦、ミニマリスト云々以前に、まずゴミ捨てからやることにしました。物を減らす前の段階です。

床に服。洗濯物の上が、愛犬のお気に入りの場所になっていた

リビング。テーブルの上は食べるときだけどける

リビングは1LDK。本来は広いはずですが、床が埋まっています。テーブルの上も物だらけで、「食べるときだけどける」運用でした。

クローゼットを開ける。服の量が多い

クローゼットを開けると、服が多い。そして床にも服が広がっています。

床に広がった服。犬もこの上を歩く

ここで僕の常識がひっくり返りました。僕は「床に落ちているのは着ていない服で、吊るしてあるのが着ている服」だと思っていたんです。でも彼女はでした。

吊るしてあるのは着ていない服。床にあるのが、着ている服。脱いだらそこに落ちるし、そのほうがすぐ手に取れるから、という理屈です。しわになるのでは、と聞いたら「しわになってもしわ」。新世界すぎてびっくりしました。

片付いていないクローゼット周辺

そして愛犬。取り込んだ洗濯物をポンと置いておくと、その上が一番好きだそうです。この部屋で唯一のオアシスが、洗濯物の山の上になっていました。

水回り。洗濯が終わった物がそのまま落ちている

水回りは「ここに関してはきれいにしているつもり」とのこと。洗濯が終わった物は、片付けずにそこに落として、そのまま着る運用でした。

物はたくさんあるのに、トイレットペーパーのストックはゼロ

面白かったのが、これだけ物があるのにトイレットペーパーのストックがないこと。ここだけミニマリストっぽい。ゴミはいっぱいあるのにトイレットペーパーがない、という状態でした。

こたつでぼーっとして、気づいたら夕方

普段の過ごし方も聞きました。こたつでぼーっとして、犬をなでて、気づいたら夕方になっていて寝ている。作ったご飯を食べるのを忘れている日もある。

稼いでいた頃は、部屋がめちゃくちゃきれいだった

2人で座って、これまでの経緯を聞く

ここで、経緯を聞きました。

会社員になったのは27歳から。それまではDJ、アイドル、ライブ配信で生計を立てていて、家賃15万円の部屋に住み、少ない月でも100万円くらいの収入があった。だから何も考えなくても事足りていた。

「その頃の部屋はどうだったの?」と聞くと、「めちゃくちゃきれいだった」。ハイブランドの物をコレクションのように陳列していて、服もいいものしか買わないから、ワンピースで掛けていた。

僕がよく話す「貧乏な人ほど物が散らかっていて、お金持ちの家は整理されている」という話をしたら、「しっくりきすぎて言葉が出ない」と言われました。

ドラマの演出でも、低収入の役の部屋はタンスや物を敷き詰めて余白をなくし、お金持ちの部屋は床面積を広げてゆとりを表現する手法があるくらいです。これは美術スタッフさんから直接聞いた話です。

僕の実家も自己破産していて、お金があるときは整理整頓されていた(この話はミニマリストの度合いは、家庭環境に左右されるに詳しく書いています)。例外はありますが、経済状況と散らかり具合は、やっぱり比例します

給料日に、1日で15万円が飛ぶ

貯金8000円だったという話をする

なぜそうなるのか。本人の説明が、貧乏の負のループそのものでした。逆側の話は「金持ち」と勘違いされる、シンプルなお金の使い方にまとめています。

散らかっているとストレスが溜まる。給料が振り込まれた瞬間に買い物に行ってストレスを発散する。物が増える。働いているから片付ける時間もない。またストレスが溜まって、また買い物をする——。

具体的には、給料日に光熱費を払いに出かけて、帰ってくるときには1日で15万円くらい飛んでいるそうです。

「買い物が大好きなわけじゃない。目についたら『これいいじゃん』『これあったらいいかも』ってなっちゃう」

「あったらいいかも」は、ミニマリストの天敵です。「あったら便利」「いつか使うかも」で買ったものは、だいたい使いません。

買ったまま開封していないアクセサリー

実際、Apple Watchのアクセサリーが買ったまま未開封で出てきました。いつ買ったかも思い出せない。貯金が8000円なのに、です。

カバンと財布の中身は、意外とミニマリストだった

カバンと財布を見せてもらう

意外だったのが、カバンと財布です。

財布はパスポートケース型で、お札とカード。小銭はスマホケースに入れていて、これだけで完結する。小さいカバンに収めたかったから、という理由がちゃんとありました。

カバンの中身を全部出してもらう

中身を全部出すと、ストッキング、印鑑、頭痛薬、ゴム、AirPods、モバイルバッテリー、化粧落とし、ハンドクリーム、くし——そしてゴミ。

ポチ袋にお札を入れて持ち歩いていました。理由は「財布に入れると使っちゃうから」。

スマホもケースなしの裸で使っていて、これは僕と同じ。ちょいちょいミニマリストっぽいところがあるんです。

結婚式用に、同じようなバッグを2つ買っていた

一方で、これ。結婚式に持っていこうと思って買ったバッグが2つありました。

もともと持っていたバッグが小さいと思って1つ買い、それを買ったことを忘れて、もう1つ注文していた。片方は紐が開封されてすらいません。結局、当日は元々持っていたほうで行ったそうです。

理由ははっきりしています。物の量が多くて、自分が何を持っているか把握できていないからです。

「売る・譲る」は禁止。安物買いは、売っても値段がつかない

800円、600円。安物買いの銭失いの証拠

「メルカリで売ろうかな」と言われましたが、このチャンネルでは「売る・譲る」を禁止にしています。

売ると言って物を眠らせたまま、結局捨てない人が本当に多いからです。特に物がこれだけ多い状態のときは、売ってはいけません。

理由はもう一つあります。物が多い人は、だいたい安物買いの銭失いをしているからです。値札を見ると800円、600円。売っても大した金額になりません。

物をある程度減らして、量より質のいい物に囲まれるようになったら、そのときは値段がつくので売っていい。順番の問題です。

不用品回収に見積もってもらったら「3万円もらわないといけない」

彼女は僕が来る前に、不用品回収業者を呼んでいました。「回収してくれて、物が良ければ買い取ります」という業者です。

結果は——「ごめんなさい。3万円もらわないといけないんです」

物は、捨てるのも無料ではありません。ゴミ袋代もかかるし、リサイクルショップに持っていく交通費もかかる。手放すのにもコストがかかる。だから買うときにちゃんと見定める必要があるんです。

僕がよく言うのは、物の出口戦略です。買う前に「これは売れるかどうか」を考える。僕はiPhoneを毎年買っていますが、1年使って売れば7割くらい戻ってきます。ちゃんと値段がつく物を買っているから、引き取り手もすぐ見つかる。

まずはゴミから。ゴミ袋代だけで3800円かかった

片付けスタート。まずは床のゴミを袋に詰める

ここからようやく片付けスタートです。まずは床に散らばった段ボールやゴミの類を袋に詰めていきます。

ゴミは、いらないものに決まっているからです。ここに迷う余地はありません。

ゴミ袋代だけで3800円かかった

ちなみに、この日のゴミ袋代だけで3800円かかりました。

袋の中身を「これ何?」と聞いても、本人が把握できていない。調味料は調味料でまとめる、書類は書類でまとめる——物があるべき場所に置かれていないのが、この部屋の根本的な問題でした。

いる・いらないを僕に聞いてきたものは、基本的にいらないと思っていい。迷った物は捨てる、が僕の基準です。いるかどうかで迷った時点で、それは大事な物ではありません。iPhoneを捨てようかと迷う人はいませんよね。

ゴミを捨てただけで、キッチンがきれいになった

ゴミを捨てただけで、キッチンがここまできれいになりました。まだ物は減らしていません。ゴミを捨てただけです。

服は「一軍だけ残す」。捨てる理由を、毎回言葉にしてもらう

服を全部一箇所に集める

次は服です。何を捨てるか迷っている人には、まずクローゼットを見ることをおすすめしています。服は、買わなくてもいいのにシーズンごとに買ってしまうものだからです。

まず全部を一箇所に集めて、自分がどれだけ持っているかを把握してもらいます。

一軍の服だけを残していく

ただ、これを1枚ずつ「いる・いらない」でやっていると終わりません。なので、絶対に着たい服=一軍、スタメンだけを出して、他は全部捨てるというやり方にしました。

大事なのは、捨てるときになぜ捨てるのかを言葉にしてもらうことです。

好きな系統も見えてきました。もこもこ、ブラウン、ベージュ。逆に「いらない」に入る服は、だいたい系統から外れたものでした。

捨てる理由を集めていくと、次にムダな買い物をしなくなります。

僕がおすすめしているのは、イージーケア(シワになりにくい、洗える)の服です。毛玉取りやアイロンがけは、結局続かないので。

物の所有はコスト。家賃も、時間も、体力も持っていかれる

片付けの途中で休憩。4時間経過

途中でこんな会話になりました。

「それいらなくなったじゃん」「うん、いらなくなった」——その積み重ねで、この部屋ができている。そしてそれを保管するために、毎月家賃を払っている

物の所有はコストです。

掃除や洗濯に時間がかかると、自分の好きなゲームや趣味をやる時間もなくなります。仕事から帰ってきたら疲れて何もしたくない。やりたいことに集中できない

逆に言えば、それだけのコストを払ってでも残したい物を、ちゃんと選ばないといけないということです。

休憩時点で4時間。彼女の感想がこれでした。

「物が多いって、気力も体力も、金も、何から何まで下がるね」

5枚10枚買うなら、10枚分の1枚を買え

片付けの合間に、買い方の話をする

彼女がいちばん刺さったと言っていたのが、この話です。

「この服かわいい」「安くなってる」で5枚10枚買うんじゃなくて、その10枚分で1枚を買え

安物買いの銭失いがよくないのは、数だけ増えていって所有欲が満たされないから、永遠に買い物し続けてしまうことです。値段が安いから、また買う。お金も貯まらないし、欲求も満たされない。

いい物を1つ買えば、着るたびにテンションが上がるし、仮にいらなくなっても値段がつくのでお金が返ってきます。

買う理由が値段なら、やめた方がいい。

もうひとつ。ボロボロになった服を「パジャマにしよう」とする人は多いですが、あれもよくありません。パジャマにするような服は「どうでもいい服」だからです。お気に入りのパジャマがちゃんとあるなら、それ以外はいりません。

思い出の品で、現物はいらないけど捨てられない物は、写真や動画に撮ってから捨てるのがおすすめです。

ハンガーを服の数に揃える。1個増やしたら1個減らす

助っ人のみみちゃんが到着

途中で友達のみみちゃんが助っ人に来てくれました。定期的にこの家を片付けに来ているそうです。

衣装ケースが4つ空いた

服を減らした結果、衣装ケースが4つ空きました

ここで大事なのが、空いた収納を残さないことです。収納が残っていると、またそこに物を入れてしまうからです。だから空いたケースは、そのまま手放してもらいました。

僕がやっているのは、ハンガーの数を服の数に揃えること。僕は服が10着なので、ハンガーも10個です。そうすると、新しい服を買っても吊るす場所がないので、買ったら減らすしかなくなります

これから守ってもらうルールは1つ。1個増やしたら、1個減らす。 本当に欲しい物があったら買っていい。ただし、今使っていない物を代わりに1個減らす。

床が見えて、部屋が広くなった

床が見えてきました。「この部屋、こんなに広かったんだ」と本人が驚いていました。

アクセサリーは10分の1に

アクセサリーは10分の1になりました。必要だったのは、ネックレスのチェーンといくつかだけ。

8時間半、ゴミ袋25袋。1LDKは、こんなに広かった

片付け後のリビング。テーブルの上にはティッシュだけ

ついに片付けが終わりました。8時間半、約9時間です。

「渋さんのこと、正直ちょっとバカにしてたかも。こんなに広い部屋で、こんなにきれいになると思ってなかったの」

テーブルの上にはティッシュしか置いていません。床にあった物は数を減らして、全部収納に収まりました。

片付け後、部屋の奥まで見通せるようになった

奥まで見通せるようになりました。歩いても何も引っかからない。

これ、笑い話ではなく実害があったところです。朝起きてよろけて物にぶつかり、あざを作って転んでいたそうです。

減らしていく中で、自分の好みも見えてきました。残した人形、置いたぬいぐるみ、選んだピンクの色味。「実はこういう色が好きなんだな」と、減らして初めて分かる。物を減らすことは、究極の自分探しです。

片付け後のキッチン。カウンターで自炊しやすくなった

キッチンも見違えました。カウンターテーブルが使えるようになったので、自炊の動線がつながります

そして愛犬が、ようやく床を歩けるようになりました。今までは物の上、物の上、物の上を歩いていたんです。

この日出たゴミ袋は25袋

この日出たゴミ袋は、25袋でした。

片付いた部屋で、3人でご飯を食べる

きれいになった部屋で、3人でご飯を食べました。

「今までは物の数を減らさずに、ゴミを捨てたり元の位置に戻すだけだった。今回は根本的に物を減らして、配置も変えている」。だからリバウンドしづらいはずです。

部屋は心の鏡だと言われます。精神状態が悪いときは部屋が散らかりやすく、逆に片付けるとメンタルが良くなるという話もあります。「目が良くなった気がする」と言っていたのが印象的でした。見えるものが増えたんだと思います。

ビフォーアフター:1LDKは、こう変わった

Before:片付け前のリビング。床が見えない

ボタンで切り替えて見比べてみてください。同じ部屋です。

Before:片付け前のリビング。床が見えない

After:片付け後。テーブルの上にはティッシュだけ

After:片付け後。テーブルの上にはティッシュだけ

Before:片付け前のキッチン。天板まで物で埋まっていた

Before:片付け前のキッチン。天板まで物で埋まっていた

After:片付け後。カウンターが使えるようになり、自炊の動線がつながった

After:片付け後。カウンターが使えるようになり、自炊の動線がつながった

Before:片付け前。床に服が広がり、犬もこの上を歩いていた

Before:片付け前。床に服が広がり、犬もこの上を歩いていた

After:片付け後。奥まで見通せて、歩いても何も引っかからない

After:片付け後。奥まで見通せて、歩いても何も引っかからない

この片付けから学べる、10のこと

片付け後。クローゼットも床もすっきりした

1. 経済状況と、部屋の散らかり具合は比例する。 例外はあるけれど、稼いでいた頃は部屋がきれいだった、という人は本当に多い

2. 「あったらいいかも」で買わない。 これがいちばんの天敵。買う理由が値段なら、やめた方がいい

3. 物の所有はコスト。 使わない物のためにも家賃・時間・体力・探し物のコストを払っている

4. 5枚10枚買うなら、10枚分の1枚を買う。 安物は所有欲が満たされないから、永遠に買い続けることになる

5. 物を買う前に「出口」を考える。 売れるかどうかまで考えて買えば、手放すときにお金が戻る

6. 物が多い状態で「売る・譲る」をしない。 眠らせたまま捨てられなくなる。しかも安物は値段がつかない

7. まずゴミから。 物を減らす前に、ゴミを捨てるだけで景色が変わる

8. 服は一軍だけ残す。 そして捨てる理由を毎回言葉にする。次のムダな買い物が減る

9. 空いた収納は残さない。 残すとまたそこに入れてしまう。ハンガーは服の数に揃える

10. 1個増やしたら、1個減らす。 これだけ守れば、二度と戻らない

僕の考え方は『手放す練習』と『手ぶらで生きる。』にまとめています。

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