ミニマリストしぶのブログ

最終更新日: 2026/08/27

2026.08.25 片付け

捨てられない人の片付けはどこから?ゴミ袋28袋・2日で汚部屋がホテルになった全手順

捨てられない人の片付けはどこから?ゴミ袋28袋・2日で汚部屋がホテルになった全手順

今回のお片付けの依頼者は、みーさん(48歳)。看護師として働きながら、愛犬のプリンちゃんと2人で暮らしています。「過去一モノが多そうで、癖が強そうな方のお家」と聞いて向かったのは、ゴミ屋敷一歩手前のワンルーム。

なんとこの企画に2回も繰り返し応募してくれた熱量の持ち主です。

結論から言うと、2日間・計13時間の片付けで、70リットルの

結論から言うと、2日間・計13時間の片付けで、70リットルのゴミ袋28袋が出ました。そして部屋は「ホテルみたい」な空間に生まれ変わりました。この記事は、その一部始終をブログ用に再構成したものです。

片付け前の部屋

「余白ないっすね」から始まったルームツアー

ベッドの上はモノの山で、寝るスペースは半分だけ。冷蔵庫の上は

玄関を開けた瞬間、正直に言いました。「匂いが結構きついですね」。ここ2日間で犬のいるお家を2軒回りましたが、一番強い。本人は自分の部屋の匂いに慣れて気づけなくなっていました。

ベッドの上はモノの山で、寝るスペースは半分だけ。冷蔵庫の上は物置になり、コンロの上はモノで埋まって料理ができない。まな板置き場もありません。

ベッドの上までモノの山 冷蔵庫の中もパンパン

玄関の収納も、シンク下も、開ければモノがなだれ込んでくる状態です。

玄関収納もぎゅうぎゅう シンク下もこの通り

吊り戸棚にはスターバックスのカップコレクションがずらり(本人いわく「これでも半分以上減らした」)。洗濯機の上は開かずの物置で、水回りには枯れかけの植物とお菓子が同居していました。

ソファも、クッションとモノの山に埋もれてもう座れません。

水回りにも植物やモノが 座れないソファ

部屋を見渡して「余白ないっすね」と言うと、みーさんは棚のわずかな隙間を指して「余白、ここ」。……それは余白とは言いません(笑)。

モノで埋まった部屋を見渡す

なぜ、捨てられなくなったのか

片付け前のヒアリング

片付けを始める前に、じっくり話を聞きました。

応募の理由は「終活」でした。 みーさんは仕事で老人ホームに行くことがあります。そこで見てきたのは、退去後に残された大量の荷物と、遠方の家族が「全部処分してください」とやり取りする現場。

「50を手前にして、最後くらいは誰にも迷惑をかけないように」——それが2回も応募してくれた理由です。

実は、みーさんは一度ミニマリストになっています。東日本大震災の津波の映像を見て「自分の中で冷めてしまって」、ゴミ袋20袋分を一斉に手放した。バカラのグラスも売って、ソファもベッドもない床生活までいったそうです。

そこから逆戻りしたきっかけは、同僚の「モノに囲まれた方が癒されるよ」という一言と、家具屋さんで一目惚れしたソファ。そこから収集癖が再発し、「訳が分からない状態」まで増えました。

もうひとつ、大きな心のブレーキがありました。昔1万円で手放したシャネルのバッグに、今120万円のプレミアがついているんです。

「あれを手放さなければ」という後悔から“手放す不安症”になり、明らかに不要なものまで全部置いておくようになった。

でも、冷静に考えてみてください。シャネル以外をちゃんと手放していれば、大事なシャネルは管理できていたはずなんです。自分が管理できる量まで減らすことが、大事なものを守ることになる。

片付けは「明らかなゴミ」から始める

玄関収納から着手

「どこから片付けたらいいか分からない」という人は多いと思いますが、この状態から「自分にとって大事なもの」の話はしません。まず明らかなゴミから減らします。

順番はこうです。

1. 明らかなゴミ(空箱、保冷剤、通電しないケーブル、賞味期限切れ)

2. 買い直しがきくもの(最悪、また必要になったら買えるもの)

3. 思い出の品は一番最後(判断のエネルギーが一番要るので)

そして迷ったときの合言葉が「迷ってるものは、いらない」。本当に必要なものって、迷わないんですよ。

この方針で進めると、玄関の収納から出てくる出てくる。何も入っ

この方針で進めると、玄関の収納から出てくる出てくる。何も入っていない空箱、「大事に持ってた」保冷剤、かっこいいからとメルカリで取り寄せた英字新聞、コストコで5万円分買ったコロコロの替え……。

そして、ゴミの中から探し続けていた銀行の通帳が全部出てきました。「空き巣に入られたと思ってました」とみーさん。ハンコも、失くしたと思って買い直した指輪も出てきました。ゴミに埋もれて、大事なものが行方不明になっていたんです。

探していた通帳がゴミの中から 棚に「余白」が生まれた

2段空いたところで、みーさんが言いました。「ゴミのために家賃払ってたってことですよね」。その通りです。不要品の分だけ、家賃を払っているんです。

「貧乏人の負のループ」の話

そして大事なのがこれ。モノの消費は、時間の消費です。 モノは

片付けながら、お金の話もたくさんしました。みーさんはコロナ禍で収入が3分の1になり、自己破産を経験しています。電気を止められてロウソクで過ごした時期もある。それなのに——

僕はこれを「貧乏人の負のループ」と呼んでいます。散らかった部屋がストレスになる→ストレス発散で買い物する→モノが増えて片付ける余力がなくなる→もっと散らかってもっとストレス……。

「貧すれば鈍する」で、この状態のときは正常な判断ができなくなっているんです。

そして大事なのがこれ。モノの消費は、時間の消費です。 モノは自分が働いて、命を削ったお金で買っている。使わずに捨てたものを買わなければ、そのぶんシフトを減らせたんです。

ちなみに、看護師さんは無駄遣いさえしなければお金が貯まる職業です。実際「ゴミ屋敷の人は意外と年収が高い」という話もあって、買い物ができてしまうからモノが溢れる。

この負のループを断ち切る方法はひとつ、まとまった時間を取って一気に片付けることです。

70リットルのゴミ袋がどんどん埋まっていく

「売る・譲る」は禁止。原則はこれだけ

実際、みーさんの家には10万円相当のヴィトンのバッグが「今年

「メルカリで売ろうかな」「職場の人に譲ろうかな」——片付け中に何度も出てきましたが、僕は全部止めました。原則はこうです。

モノが大量の段階で売る・譲るをやると、いつまで経っても片付きません。「高く売れるかも」と欲を出すと、100点の売り時を待って永遠に後回しになる。売るときには欲を出さないが鉄則です。

実際、みーさんの家には10万円相当のヴィトンのバッグが「今年こそ売ろう」と雑誌に折り込まれたまま眠っていました。クリーニング代を払い、メルカリの値下げ交渉に怯え、持っているだけでコストを払い続けていた。

相談の結果、その場でブックオフ行きが決定。「2〜3万にしかならなくても、モヤモヤ代を考えたら手放します」と言えたのは大きな成長です。

ヴィトンのバッグをどうするか相談

モノには「住所」がある

キッチンの中身を全部出す

キッチンは、一度全部出して見える化しました。1日1捨てでは変化を感じられませんが、全部出すと「何をどれだけ持っているか」が一目瞭然になります。

出てきたのは、賞味期限が1年以上切れた食材、「ピンクだから」という理由で買った塩、同じ用途の調理グッズの山、そしてトイレの中からはなぜかコンバースのスニーカー。キッチンの棚には未開封の薬もありました。

僕は「モノの住所」と呼んでいるんですが、使うモノには必ず定位

僕は「モノの住所」と呼んでいるんですが、使うモノには必ず定位置が定まります。薬はお薬ボックスへ、靴は玄関へ。モノがあるべき場所にない部屋は、使っていないモノで住所が埋まってしまっている部屋なんです。

スカスカになったキッチン

洗面所も同じ要領で、2人がかりで一気に仕分けました。鏡が見えるようになったとき、みーさんが言った一言が最高でした。「お、私の顔が見えた」。

洗面所も2人がかりで

ここで面白い発見がありました。食器を仕分けていると、みーさんは無印良品系のシンプルなグッズをどんどん捨てて、柄物の可愛いグッズを残すんです。だから僕はこう伝えました。「みーさんは今後、シンプルなものを買わない方がいいです」。

ミニマリスト=無印良品みたいな憧れがあると思いますが、実際に使い続けられるのは自分がテンションの上がるモノ。人によって正解は違います。

いちばん重かった、母のお土産

母のお土産のネックレス

洗面所で手が止まりました。母親が海外旅行で買ってきてくれた、2万円近いネックレス。「いらないよ」と伝えていたのに買ってきてくれたもので、趣味じゃないから使わない。でも捨てられない。

僕はこう考えます。これは多分、お母さんの趣味なんです。そして、いらないと分かっているのに苦しんでいる姿を知ったら、お母さんも苦しい。 残したままだと、見るたびに気が重くなるコストを払い続けることになる。

みーさんは「お母さん、ありがとう」と言って手放しました。七五三の着物も、お母さんが手編みしてくれたセーターも、「今後家族に迷惑をかけない」という終活の原点に立ち返って手放しました。動画に記録が残ったから、思い出はそこにあります。

そして名言が生まれます。「自己満足のお土産ほど、迷惑なものは

そして名言が生まれます。「自己満足のお土産ほど、迷惑なものはない」。モノを贈るより、一緒に美味しいご飯に行く方がいい。これはプレゼントをする側にも刺さる言葉だと思います。

ベッドの上のモノの山も、ひとつずつ「いる・いらない」を仕分けていきます。IKEAの青い袋とゴミ袋が、みるみる埋まっていきました。

ベッドの上の山をひたすら仕分け

クローゼットを開けたら、意外とミニマリストだった

片付け前のクローゼット

夜9時、最後のクローゼットへ。「ここから長丁場か…」と覚悟して開けたら——意外と服が少ない!

紙袋の山(シャネルの空箱含む)を処分したら、残った服はオールシーズンでわずか10着ほど。女性ミニマリストの発信者でも「20着以下なら少ない」と言われる世界で、これは僕と同じくらいの少なさです。

クローゼットの中身は意外と少なかった 1着ずつ「着るか」で仕分ける

理由を考えると納得でした。みーさんには「ピンクが好き」という明確な価値基準があるんです。基準があるから、服だけは無駄に増えなかった。ミニマリストに憧れて買ったシンプルな服の方こそ「自分っぽくない」と捨てることになりました。

かつてイッセイミヤケを40着持ち、ブランドの歴史を語れるレベルだったみーさん。全部手放して燃え尽きたいま、残ったのは「色がピンクであること」だけ。それでいいんです。

ミニマリスト=モノトーンやシンプルである必要はない。 モノを減らして際立ったのは、みーさんの個性でした。

ここに「ピンクミニマリスト」が誕生しました。

2日間で、ゴミ袋28袋。部屋はホテルになった

70リットルのゴミ袋28袋

1日目は10時間。僕が帰った後も、みーさんはスイッチが入って深夜1時半まで一人で片付けを続けました。翌朝、部屋の前に積まれていたのは70リットルのゴミ袋、計28袋。ワンルーム1室分の不要品です。

そしてAfterです。ボタンで切り替えて、同じ場所のBefore→Afterを見比べてください。

玄関収納

Before:ぎゅうぎゅうだった玄関収納

Before:ぎゅうぎゅうだった玄関収納

After:白いストック類が整列した玄関収納

After:白いストック類が整列した玄関収納

靴は5足だけになり、全部靴箱に収まりました。

キッチン

Before:コンロもシンク横もモノで埋まっていたキッチン

Before:コンロもシンク横もモノで埋まっていたキッチン

After:カウンターに何も置いていないキッチン

After:カウンターに何も置いていないキッチン

冷蔵庫の上は炊飯器とクリスマスの飾りだけになりました。

洗面所

Before:棚も床もモノであふれていた洗面所

Before:棚も床もモノであふれていた洗面所

After:真っ白になった洗面所

After:真っ白になった洗面所

「この家の中で一番心が洗われる場所」になりました。

寝室

Before:モノの山で寝るスペースが半分だったベッド

Before:モノの山で寝るスペースが半分だったベッド

After:ホテルのようになった寝室

After:ホテルのようになった寝室

ゴミでセミシングル化していたダブルベッドが復活しました。「もうホテルじゃないですか」。

ソファ

Before:モノに埋もれて座れなかったソファ

Before:モノに埋もれて座れなかったソファ

After:プリンちゃんの特等席に戻ったソファ

After:プリンちゃんの特等席に戻ったソファ

クローゼット

Before:紙袋とモノで埋まっていたクローゼット

Before:紙袋とモノで埋まっていたクローゼット

After:ピンクの服が際立つクローゼット

After:ピンクの服が際立つクローゼット

白い空間にピンクの服がずらり。「毎朝クローゼットを開いて深呼吸してます」とのことです。

ベッド下の収納も整えて、部屋の完成です。

ベッド下の収納も整えて仕上げ

「自分の人生の主人公になりましょう」

この企画に応募して、部屋も顔も全部公開できる胆力は本当にすご

片付けの途中、ゼクシィの山(結婚も決まってないのに複数冊)を前に、みーさんがぽつりと言いました。

「途中から思ったんですよ。自分の人生も、ブログ(他人の発信)みたいになるなって。ブログに脅かされて、誰かのブログみたいな人生になってるなって」

だから僕は言いました。「自分が主人公になりましょう」。

この企画に応募して、部屋も顔も全部公開できる胆力は本当にすごいことです。恥を晒せる人じゃないと、人は成長しない。笑われるのが恥ずかしくて行動しない人は、何も変わらないまま。今日が人生で一番若い日ですから。

翌朝、みーさんはこう言ってくれました。

「1日ちょっとで、こんなにも空間が変わるのかって感動しました。頭の中もごちゃごちゃしていたのが、空き容量ができて、考え方にも気持ちにも余裕が生まれて。自分の人生を取り戻せそうな予感しかしない

片付けを終えて

筋トレも勉強も、成果が出るまで年単位でかかります。でも片付けだけは、たった1日の短期集中で人生が変わる。お金も貯まるし、時間も生まれるし、ストレスもなくなる。

だからこそ、土日や連休、年末年始を使って一気にやってほしい——これが僕の願いです。

後日談:ソファーの裏から出てきたもの

イベントで再会したみーさん(ピンクですぐ分かる)

後日、イベントでみーさんと再会しました。「ミニマリストになると痩せる」の法則に反して体重は人生最高値を更新していましたが(笑)、片付いた部屋は維持できているそうです。

タンパク質をしっかり摂ると食欲が落ち着きやすい、というアドバイスも送っておきました。

そして最後に、みーさんから届いたビデオレターがこちら。

「ソファーの後ろを掃除しようと思ったら、とんでもないものが見つかりましたので、ご報告しておきます。この袋を大切になぜか隠していたのですが——まさかの、わさビーフが入っておりました。以上、報告でした」

大切に隠されていた、わさビーフ

最後まで最高でした。みーさん、ピンクミニマリストへの道を歩んでいってください。


あなたの家も片付けます。 僕に自宅を片付けてほしい方は、動画の概要欄から応募できます(顔出し・部屋を公開できる方のみ・無料)。全国どこでも行きますので、遠いからと諦めずに。

めげずに2回応募したみーさんのように、行動した人から人生は変わります。

僕の片付けの考え方は、著書『手放す練習』と『手ぶらで生きる。』にまとめています。


▼ 動画版はこちら

YouTube版のタイトルは『「ミニマリストに憧れるけど…」捨てられない女性の自宅へ。モノ減らしたらゴミ屋敷もキレイに片付いた』。みーさんの人柄と2日間のドラマは、ぜひ動画でご覧ください。

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