1台目・モデル3パフォーマンス(認定中古)を納車
そして納車日。福岡・マークイズの中にあるテスラ店舗で、1台目を受け取りました。
買ったのはモデル3のパフォーマンスモデル(2021年式の認定中古車、360万円)。0-100km/h加速が3.3秒という、スポーツカー並みのモデルです。
「テスラ=高級車」というイメージがあると思いますが、中古なら意外とリーズナブルに買えます。ナンバーは「320」——ミニマルの語呂合わせで、初代ミニマル号と名付けました。
納車の体験も独特でした。普通の納車は「印鑑証明を出して、書類をひたすら書いて…」だと思うんですが、テスラはアプリで全部完結。画面に「Welcome to the Tesla family」と表示されて終わりです。
なぜテスラを買ったのか——車ではなく「生活空間」を買った
「なんでそんなにテスラが欲しかったの?」とよく聞かれます。答えはこの画面です。
すべての物理ボタンがこのディスプレイに集約されている。 エアコンの風向きすら画面の中でスワイプして変えます。だから車内がガチャガチャしていない。まさに「車界のミニマリスト」です。
そしてこの車、シアター機能でNetflixもYouTubeも観られます。スピーカーは14個。「しぶさん、本当にここで住めますね」と言われました。実際、住むことになります。
さらにカメラが8個ついていて、周囲の人や車を全部認識して画面に表示してくれる。人間の目より把握しているんじゃないかというレベルです。
でも、僕が車を買った本当の理由は3つあります。
- 仕事の幅を広げるため — 片付けの企画で「車がないと行けない場所」の依頼をずっと断っていました。粗大ゴミを運ぶのにも車がいる
- 実家の片付けのため — 実家は日本一じゃないかというくらいの急な坂道の上。軽バンでは登るのがしんどい(父が昔から馬力の話ばかりしていた理由が分かりました)
- 車中泊のため — 実家はネズミが出るので泊まりたくない。電気自動車ならエアコンをつけっぱなしで寝てもアイドリングにならず、近所迷惑にならない
そう、車を買ったというより、生活空間を買ったんです。去年140泊も外泊していた僕にとって、ホテル代の代わりでもありました。コロナの頃は2000円で泊まれたホテルが、今は2万円、4万円が当たり前ですから。
そして人生初のドライブスルーへ。バイト前に100円コーヒーを買ってブログを書いていた、思い出のマクドナルドです。すべてはここから始まりました。
初心者、やらかす。2週間でパンク、1ヶ月半で凹み
順風満帆…とはいきませんでした。
まず買って2週間でパンク。ロードサービスを呼んで、レッカーで運ばれていく自分のテスラを見送りました。テスラ純正だとタイヤ1本15万円と言われたのですが、知り合いのカズマさんに紹介してもらったタイヤで4万円ちょっとに収まりました。
そして買って1ヶ月半で、ドアを凹ませました。深夜3時に「もう僕、車の運転向いてないんだと思います」と撮影しています。修理見積もりはドア取り寄せで13万円、工賃込みで約50万円。結局、直さないまま乗り続けることになります。
結局、この1年で3回ぶつけました。油性ペンのマッキーで塗ってごまかしたこともあります(パッと見はごまかせました)。
1年後、2台目の新型モデルY(ロングレンジAWD)を注文
2025年10月8日。ちょうど1台目の納車から1年のタイミングで、2台目のテスラを注文しました。
この日はテスラが廉価版「モデルY スタンダード」を発表した日でもあったのですが、僕が選んだのは上位のモデルY プレミアム(ロングレンジAWD)です。
構成はこうです。
- ロングレンジAWD — 1年乗って「そんなに加速はいらない」と分かったので、加速より航続距離(とスピーカーの音質)を優先
- 白の外装 — 追加で18万9000円(無料なのはグレーだけ)
- 白の内装 — 1台目と同じ
- オートパイロット・パッケージ(87万円) — これが最大の理由
合計776万円、現金一括。人生初の新車で、人生最大の買い物です。
なぜ87万円のオートパイロットを付けたか。日本でもテスラの自動運転が国の認可を受けて実験が始まったからです。早ければ1〜2年以内に日本でも使えるようになるかもしれない。2021年製の1台目はカメラが古く、その恩恵を受けられません。
だから買い替えました。
2代目ミニマル号、納車。オートパイロットと自動駐車
そして2回目の納車。今度は新車です。
傷がない。凹んでいない。美しい。ドアを閉めたときの重厚感が違う。新車の香りがする。
初心者マークも外れて、運転デビューです。1台目より70mm広い車幅(1920mm)に戸惑いつつ、まず驚いたのはサスペンションの進化でした。明らかに揺れない。
そしてオートパイロット。高速道路でウインカーを出すだけで、車が勝手に車線変更してくれます。「出口を見据えて今のうちに車線変更した方がいい」という提案までしてくれる。
僕は福岡から東京まで片道14時間の道のりを、すでに2往復しています。高速道路では、これなしの運転はもう考えられません。
さらに87万円を払ったことで自動駐車も使えます。車と車の間にスッと入っていく。切り返しまでやってくれる。「怖い怖い」と言いながら見ていましたが、完璧でした。駐車が終わって走り出すときも、今のテスラはシフト操作がいりません。
「前に障害物がないから進むべき状況だよね」とAIが判断して、アクセルを踏んだ瞬間にドライブに入る。これがマジで神です。
テスラはiPhoneのように定期的にソフトウェアがアップデートされます。ディズニーの『トロン』とコラボした車体デザインに変わる機能や、車内カメラでプリクラが撮れる「フォトブース」まで追加されました。
買った後に価値が増えていく車って、他にないと思います。
アメリカで完全自動運転(FSD)を体験——サイバートラック・Grok・Waymo
納車の翌週、アメリカへ飛びました。目的は日本ではまだ使えない完全自動運転(FSD)の体験です。
まずレンタルしたのがサイバートラック(1日10万円ほど)。車幅2m20cm、僕のモデルYより30cm広い。「運転できる気がしない」と怯えて、最初から自動運転に任せました。
深夜のロサンゼルスを、ハンドルに手も添えずに走る。
「すごい」しか言葉が出てきませんでした。絶対に僕が運転するより上手い。 映像では何度も見ていましたが、自分が体験すると衝撃が違います。一人の起業家がこんなものを世に解き放ったという事実に、涙が出そうなくらい感動しました。
この瞬間だけは、日本人であることを悔やみましたね。
車内ではGrok(AI)とも会話しました。
「ミニマリストしぶって知ってる?」と聞いたら「東京の若者が布団1枚だけ置いて…」と説明し始めたので「俺、本人だよ」と伝えたら、「渋って渋くねーか? ミニマリストなのに渋って名前、矛盾してて最高だな」と返されました。
AIに名前をイジられる時代です。
充電に立ち寄ったテスラダイナーは、SF映画のような外観でした。大量のスーパーチャージャーとレストランが一体になった施設で、ゴミ箱にすらソーラーパネルが付いていて発電している。
店内にはヒト型ロボットオプティマスもいました。今はお掃除ロボットに任せている家事も、いずれこういうロボットがやる時代が来るのかもしれません。
そしてWaymo(ウェイモ)の無人タクシーにも乗りました。運転席に本当に誰もいません。
面白いのは、Waymoとテスラが自動運転に真逆のアプローチをとっていること。
- テスラ — カメラだけ。「人間も目だけで運転できるんだから、カメラの情報だけでいける」という思想。だから車体に余計なセンサーがない
- Waymo — ライダースキャナーで360度を計測。暗くて見えない場所にも強いが、センサーが高価で1台2〜3000万円かかるとも言われる
サイバートラックの後は、1日2〜3万円で借りられるモデルYに乗り換えて旅を続けました。この旅で、タクシー代にすると20〜30万円分は自動運転で移動したと思います。運転の労力がかからないから、フットワークが本当に軽くなる。
ディズニーランドの駐車場にも自動運転で入りました(上海以来4年ぶり、今回もぼっちクリスマスディズニーです)。
そして帰国早々——自動運転に甘えすぎて運転能力が落ちていたらしく、ホイールをガリッとやりました。もう自分で運転するのやめます。
車で年を越し、日本一周へ
2026年の年越しは、車の中で迎えました。温泉施設の駐車場でサウナに入り、車内でカウントダウン。人生で初めて車で年を越しました。
フロントガラスを隠して、バルミューダのLEDランタンを吊るす。後部座席はフルフラットに倒して、枕と寝袋。冷蔵庫にはお寿司とローストビーフ生春巻き。2026年最初の食事です。
そして1月1日、鹿児島から日本一周をスタートしました。
テスラ車中泊の持ち物、全部見せます
車の中で暮らしているので、持ち物を紹介します。
トランクには、オールシーズン全8着の服。夏用Tシャツ2枚、長袖トップス2枚、肌着、タオル。これだけです。
後部座席は6つ折りマットレスを敷いて、任天堂スイッチとテーブル。そしてテスラにぴったりはまる冷蔵庫(サードパーティー製)を積んでいて、塩やオリーブオイル、水を入れています。マイナス6度まで下がるのでアイスも保存可能。
天井はガラスルーフなので、寝転がると緑がきれいに見えます。もはや動く高級カプセルホテルです。電気自動車はアイドリングがないので、エアコンをつけっぱなしで寝ても騒音で近所に迷惑をかけない。車中泊とは本当に相性がいい。
テスラ専用のデスクもあります。高さがぴったり合うように作られていて、ノートパソコンを置けば個室の仕事部屋の完成。リモートワークの人には本当におすすめです。
その他、非常用ハンマー、HOTOのハンディクリーナー(ミニマルデザインで車内にすっぽり収まる)、防災トイレ、除菌ウェットティッシュ、駐車場の支払い用コインケース、巻き取り式USBケーブル(60W急速充電)。これで生活が回ります。
ちなみにこの撮影中、強風にあおられて30万円のiPhone 17 Pro Max(2TB)の画面を割りました。車生活、いろいろあります。
母を乗せる
母親も乗せました。「こんな車で片付けのゴミとか運ぶわけじゃないよね?」と聞かれたので、「いや、積んでる」と即答。
自動駐車を見せたら「じゃあママでもできるってこと?」「無理無理無理」というやりとりも。そして母の口から出たのがこの一言でした。
「ハンドルとタブレットしかないでしょ。車界のミニマリストやね」
その通りです。
車がなかったら行かなかった場所へ——琵琶湖、サーキット
滋賀県の琵琶湖まで走りました。車内から琵琶湖が見える。これこそ車生活の醍醐味です。車がなかったら、来なかった場所だと思います。
大分の山奥にも行きました。4G回線が心配でしたが無事つながり、山奥から遠隔で片付けのコーチングをしていました。
そして手放す前のラストランとして、サーキットを走りました。
1台目のパフォーマンスモデルは0-100km/h加速が3.3秒。これはフェラーリ458(3.4秒)、ランボルギーニ・ウラカン(3.2秒)、ポルシェ911(3.4秒)と同レベルです。3000万円クラスの加速が740万円で楽しめる。
130km/hでコーナーを攻めながら「見ろ、俺のドライブテクを」と叫んでいました。いい思い出です。
モデル3 vs 新型モデルY、1年乗って分かった違い
2台目が来てから売るまでの2ヶ月間は、テスラ2台持ちでした。テスラはアプリ1つで2台を切り替えられて、友達にLINEで招待URLを送れば遠隔で鍵を渡せるので、福岡に来た友達や一緒に働くメンバーにモデル3を貸していました。
これは本当に便利でした。
売却の前に、2台を並べて比較しました。
外観とサイズ
初代はセダン型、2代目はSUV型。どちらもかっこいいのですが、よりミニマルなのは2代目のモデルYだと思っています。理由は明快で、
テスラのロゴ(Tの文字)がないんです。 新型のモデルYだけ、車体にもハンドルにも背面にもロゴがない。時代とともにどんどん削ぎ落としていくこのデザインの流れが、すごく好きです。引き算の美学ですね。
トランクの広さ
買い替えた最大の理由がこれです。ボタンで切り替えて見比べてください。
モデルYはトランクが奥までつながっていて、ボタン一つで自動でフルフラットになります。モデル3は奥が繋がっておらず、手動で席を倒す必要がありました。身長167cmの僕でも縦幅に余裕があるので、車中泊中心の生活ならモデルY一択です。
360万円のテスラ モデル3、1年4ヶ月乗って買取価格はいくら?
そして売却の日。買取をお願いしたのは、街中のカフェで作業していたら「見てます」と声をかけてくれて仲良くなった、クルマジャパンの金子さんです。服が全部真っ黒なのは僕の影響だそうです(笑)。
事前にテスラ公式の下取り見積もりも取っていました。写真なし・傷なし前提で190万円。実際に出せば150万円以下になる可能性も十分ある、という状況です。
査定でチェックされたポイントも聞きました。
- 走行距離 — 3万・5万・7万・10万kmが節目。僕は約4万8000kmでギリギリ5万km以下。超えていたら5〜10万円下がっていたそうです
- 傷・凹み — ドアの凹み(修理見積もり50万円)、ホイールのガリ傷、飛び石2箇所
- 内装 — 傷、匂い、シートのスレ。白レザーはジーンズの色移りが減点ポイントになる
- ハンドルの改造 — 10万円かけたヨークステアリングは「大きく下がらないが、上がりもしない」
そして結果です。360万円で買ったモデル3(1年4ヶ月・約4万8000km)の買取金額は——
165万円でした。
僕の中では「150〜170万円なら売る」というラインだったので、即決です。ちなみに凹みがなければ220万円だったそうです。運転が下手だったせいで、55万円が消えました。目の前で振り込んでもらえたので、安心感がありました。
1年4ヶ月乗って、実質195万円。ホテル代わりに使い、日本中を移動し、片付けの仕事を広げたことを考えれば、決して高くはなかったと思っています。
いざ手放すとなると、やっぱり寂しい。「愛車を持つ」という感覚が、初めて腑に落ちました。 片付けのコーチングで「愛車を手放すか迷っている」という相談を受けるたび、正直「いい車があるなら乗り換えればいいのに」と思っていたんです。
でも今なら分かります。
車を手放したので、次は家を手放します
これは半分冗談、半分本気です。
2026年は自動運転が来る前提でライフスタイルを見直しています。自動運転で好きな場所へ安く移動できるなら、そもそも都心部に住む必要があるのか? 移動しながら暮らすなら、家はもっと小さくていいのでは?
2026年は「フィジカルAIの年」と言われています。今はChatGPTやGeminiのようにバーチャル上でAIが返事をくれるだけですが、これからは現実世界にAIが介入してくる。テスラは僕にとって「車輪のついたAI」です。
AIの進化スピードは、僕たちの予想をはるかに超えています。だからこそ、物理的にも思考的にもフットワークを軽くしておく。今までの価値観を捨てて、AIとどう暮らすかを考え続けています。
最近のしぶは、片付けをしながら日本一周している——そう頭に入れておいてください。
次回は、自動運転が始まったときにお会いしましょう。
車の買取を検討している方へ
今回お世話になったクルマジャパンの金子さんは、福岡市・糸島市を中心に出張査定をしてくれます。自宅や駐車場まで来てくれて、金額が合えばその場で振込・引き取りまで完了。九州の方には自信を持っておすすめできます。
僕のモノとの向き合い方は、著書『手放す練習』と『手ぶらで生きる。』に書いています。
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