ミニマリストしぶ
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どうも、ミニマリストのしぶです。(@minimalist_sibu)
最初に断言します。
”全部を手に入れる”なんて無理なので諦めてください。
世の中には2通りの人間しかいません。
「エッセンシャル思考」と「非エッセンシャル思考」の人間です。
漫画「マンガでよくわかるエッセンシャル思考」のイラストがわかりやすいので引用します。
「エッセンシャル思考」とはズバリ99%の無駄を捨て1%に集中するための方法。
世の中はトレードオフです。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざがあるように、全部を成し遂げようとしても結果は中途半端に終わってしまうのが世の常。
そして「世の中、本当に必要な物なんてめったにない」ということを胸に刻んでください。
万物の大半はほとんど価値がなく、ほとんど成果を生まない。
少数のものだけが非常に役立ち、大きな影響力を持つ。
─ーリチャード・コッチ
より少なく、しかしより良く。
非常に役立つ少数のものを見極めるためには「エッセンシャル思考」が必要です。
そしてエッセンシャル思考には3つの原則があります。
- 見極める技術
- 捨てる技術
- しくみ化する技術
この記事では「エッセンシャル思考」柱となる3つ大原則を順番に解説していきます。
①見極める技術
「やらなくては」ではなく、「やると決める」
「どれも大事」ではなく、「大事なものはめったにない」
「全部できる」ではなく、「なんでもできるが、全部はやらない」
もう一度言います。”全部を手に入れる”ことを諦めてください。
ではなぜ1番に「見極める技術」が必要なのか。
「努力は大事だけど、努力の方向性が間違っていたら意味がない」なんて話を良く聞きます。
だから自分の時間とエネルギーを、最も効果的な場所で使って、最大の成果を得る。
これが「エッセンシャル思考」の狙いです。
では「見極める技術」を磨くにはどうするか。
「かなり明確」ではなく「完全に明確」な目標を立てる
たとえば「世界から飢餓を撲滅する」という壮大な理想。
わずか5人の組織がそんなことを言っても、リアリティがない。
そんな中途半端な理想主義があふれるなかで、ひとつのステートメントが異彩を放っていた。
(中略)
「ニューオリンズの下9地区に住む世帯のために、低価格で環境にやさしく、災害に強い家を150戸建設する」
このステートメントは、教室の空気を一変させた。
曖昧な目標しか持っていない人間はとても弱い。
だから「かなり」ではなく「完全」な目標が必要なのです。
その「かなり」を「完全」にするにはどんな目標を立てればいいのか。
答えは「達成をどうやって判断するのか?」という基準を含む目標を立てることです。
90点以上しか選ばない
完全な目標が決まったら、次に必要なのは目標を達成するための「計画」です。
ものごとを選ぶ際は「絶対にやりたい」以外を省いてください。
そのための基準が「90点以上しか選ばない」というルール。
90点ルールは、トレードオフを強く意識させるやり方だ。
厳しい基準を設ければ、必然的に、大多数の選択肢を容赦なく却下することになる。
”完全”な選択肢が現れることを信じて、”かなり良い”選択肢を切り捨てるのだ。
そして何を持って「90点」とするのか、その基準も決めておきます。
- そのチャンスについて記述する
- 考慮するに値するチャンスの「最低限の基準」を3つ書き出す
- 考慮するに値するチャンスの「理想の基準」を3つ書き出す。
例えば、僕が服選びをする時の話を例にあげてみます。
- コーディネイトを選ぶのが煩わしいから、クローゼットの中を減らすためお気に入りの服だけを選びたい。
- 「色は白or黒」「ジャストサイズ」「シンプルな無地」
- 「着心地が良ければなお良し」「しわになりにくい素材であればなお良し」「洗濯しやすい素材であればなお良し」
2の「最低限の基準」を満たしていなければ即却下。
加えて3の「理想の基準」を満たしていない物も却下します。
②捨てる技術(断る勇気を持つ)
できる人は「ノー」と言う。
これは「自分の仕事ではない」と言えるのだ。
ーーピーター・ドラッカー
エッセンシャル思考の人間は「常にNO」を言い続けなければなりません。
「イエス」で失う物を考える
ここでイエスと言ったら、代わりに自分は何を失うのか。
世の中は全てトレードオフで成り立っていることを常に意識してください。
しかし「NO」と断るには多大なエネルギーが掛かってしまう。
「NO」を言い続けるためには「断る勇気」が必要なのです。
過去の損失を切り捨てる
「ここでやめたら今までの頑張りが無駄になる。もったいない。」からと望みのない投資を続ける心理効果をサンクコスト(埋没費用)と呼びます。
「さっきは負けたけど次こそ勝って取り戻す!」といった風にギャンブルでよく例に出される話ですね。
非エッセンシャル思考の人はサンクコストをいつまでも引きずって、無駄な過ちを繰り返す傾向にあります。
サンクコストの他にも、非エッセンシャル思考の人が陥りやすい心理学があるので紹介します。
自分の持っているものを高く評価し、手放したくないと考えること。
自分が既に持っている物を高く評価してしまうのは、それを失うことによる損失を強く意識しすぎてしまうから。
「いつもやっているから」という理由でそれをやめられない傾向。
未知なもの、未体験のものを受け入れず「現状のままでいたい」とする心理作用。
人はとにかく「今のままでいたい」と考えてしまう生き物である。
この事実を踏まえたうえで、現状を打破する選択肢を取り続けてください。
③しくみ化する技術
「エッセンシャル思考」を継続して実行するためにはどうすればいいか。
そのためには「いつもエッセンシャル思考でいなくては」と考えず無意識で実行できるよう、しくみ化をする必要があります。
やるべきことをリストアップし優先順位をつける
99%を捨てて1%に集中するためには「今この瞬間を生きる」ことが不可欠です。
今この瞬間に集中するために、「今すぐ必要ではないが重要なこと」「この先やりたいこと」をリストアップし、優先順位をつけてください。
せっかく1%までやることを絞っても優先順位を付けないままでは「どれから先に終わらせるべきかわからない」と思考にノイズが生まれてしまう。
結果として「今やるべきこと」に集中できなくなり、効率が低下します。
”今この瞬間に意識を集中する”という観点では瞑想(マインドフルネス)と同じ考え方ですね。
小さな1歩を積み重ねる(充実感)
心理学の研究によると、人間のモチベーションに対してもっとも効果的なのは「前に進んでいる」という感覚である。
小さくても前進しているという手応えがあれば、未来の成功を信じられる。
そのまま進み続けようという力になる。
それでは「今日も1歩前進できた」という充実感を味わうためにはどうするか、以下の3点のように計画を実行します。
1.最小限の進歩を積み重ねる
「完璧を目指すよりまず終わらせろ」
アニメーション制作会社会社のピクサーでは、映画の脚本を書く前に紙芝居を作るのだそうです。
場面を簡単な絵で表現したのち、社内からフィードバックをもらって改善を繰り返す。
100点を目指すために小さな「+1」を積み重ねるイメージです。
2.「早く小さく」始める
思い立ったら、少しでいいから早く行動に移してください。
「部屋を片付けたい」と思ったら1日1つでだけでも”今すぐ”捨てれば良いのです。
3.進歩を目に見える形にする
カレンダーに1日の成果を書き写すでも良いです。
進歩の具合を目に見える形で記録する習慣を身につけてください。
「今やるべきことに集中し、小さな1歩を積み重ねる」ことでしくみ化され、エッセンシャル思考の無限ループが生まれるのです。