ミニマリストと終活

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ミニマリストしぶ

ミニマリストしぶ

(株)Minimalist代表。福岡に住む23歳。著書の「手ぶらで生きる」は世界2ヶ国で翻訳されました。

※この記事はYoutube動画を、内容そのままに書き起こした文章です。
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ミニマリストと終活 – YouTube

ミニマリストしぶです。2冊目の本の担当編集伊藤さんとの打ち合わせの様子です。

  • 出口が見えるからこそ物をどう扱うかを意識する
  • 余裕がないと物の後始末は考えられない
  • ゆとりが生まれたらしんどさも解消される

出口が見えるからこそ物をどう扱うかを意識する

伊藤:「さよならだけが人生だ」っていうフレーズが1番響いたんですけど、どのような意図があるんですか?

しぶ:これは作家の井伏鱒二(いぶせますじ)さんの言葉なんですけど、僕は物を増やすときにも出口戦略を考えることをよく言っています。物は買って終わりではなく、最後まで使い切るか、譲るか、売って循環させる。ゴミにしてしまうことが1番よくないですよね。

出口が見えるからこそ物をどう扱うかを意識するんです。

僕も去年12年実家で買っていたチワワが亡くなったんですよね。ペットを飼って出会いがあることは必ず別れもあるので、亡くなるまでの時間を大事にしてあげようと思えるんです。物に限らず出口戦略は人との出会いにも言えることですよね。

もっと言えば出口戦略というのは金融の言葉で、株を買うときに売る値段を決めておかないと自分の価値の基準があやふやになるという話なんです。だから僕は出口戦略や「さよならだけが人生だ」という言葉は好きです。

伊藤:出口戦略=さよなら、という意味なのかもしれないですね。

しぶ:まさにそうですね。「終活」という言葉も最近流行っていますが、人生は積み重ねだけでなく、積み減らしだと言っていて。ゼロから積み重ねてから積み下ろしてまたゼロに戻ることが1番美しいと思っています。

たくさん買った物を家に置いたまま死んで残すことは、あまり良くないことですよね。自分が生きているうちにある程度片付けておいて、後に残った人が行う後始末は最低限にしておくことがいいと思います。

余裕がないと物の後始末は考えられない

伊藤:その辺りに気づいたのはいつ頃なんですか?

しぶ:ミニマリストの生活になって、入れることより出すことを考えるようになってからなので、ここ1〜2年の話ですね。

伊藤:ミニマリストになったことでライフスタイルが変わって、2年くらい経つと思考的なところに到達するイメージなんですかね。

しぶ:僕もミニマリストを知って実践し始めてトータルで5年くらいになるので、そのくらいの境地ですね。

今僕の中で熱いと思っているのがエコ問題で、買った物をゴミとして捨ててしまうのは後始末ができていない状態。

日本でも最近はレジ袋の有料化が進んでいますよね。AppleもiPhoneのボディにリサイクルの原料を使っていたり、新型iPhoneは発売するけど、使い終わったものは回収してリペアしていたりと、後始末が考えられている証拠です。

ただ、後始末を考えるのは相当な余裕がある人じゃないと無理だと思います。僕も物を減らし始めてすぐの頃はゴミになることも気にせずに物を捨てていましたし。時間や金銭面、精神的な余裕がないとそこまで気が回らないので。

ゆとりが生まれたらしんどさも解消される

伊藤:今特に余裕がない人が多いのではないかと思っていて、しぶさんからのアドバイスはありますか?

しぶ:ゆとりがないからですね。昔はテレビ・冷蔵庫・洗濯機が3種の神器と呼ばれていましたが、今は洗濯乾燥機・食洗機・お掃除ロボットといった時間を作るものになっているんですね。食洗機はなくても生活はできるけど、みんなそれだけゆとりがないんです。

お金を持っている起業家の方はアートを買ったりしますよね。極論アートは生活必需品じゃないけど、嗜好品にお金を使えるのは経済的にも余裕があるから。

僕も最近は「余白」や「ゆとり」といった言葉はよく言っています。

伊藤:余白って言葉はいいと思いました。

しぶ:例えば書類でも書き込みが増えるほど情報量が多くなって見るのがちょっとしんどくなるけど、書き込んでいない方はすっきりと見れる。デザインでも日々の生活でも、「ゆとり」や「余白」はかなり重要なキーワードだと思っています。

伊藤:ゆとりがありすぎても暇になりますよね。ゆとりと暇の間ってどこなのでしょう?

しぶ:僕も物を減らして月に6〜7万円で生活するようになって、週に3日くらいバイトをするライフスタイルを実現させたときに結構暇だったんですよね。

最初は楽しくても途中からつまらなくなって、手を動かした結果今の仕事に繋がっています。忙しすぎるよりかは多少の暇があった方が自分のやりたいことも見つけられますし。

伊藤:今の時代は暇な時間がある方が意外と人を進化させるのかもしれないですね。最近は会社員の人でも人と合わないようにして、自分のインプットやアウトプットの日にすることを聞きます。そのように自分の時間をブロックさせないといけない時代になってしまったということですよね。

しぶ:若い人たちはスマホで常に人と繋がって、YouTubeで短い動画を見ているから、映画館で2時間スマホを見ないことに耐えられないというニュースもありましたね。

逆にスマホを触れない空間の価値が上がっていると思っていて。僕も最近は映画館に行くようになりましたし、スポーツジムの大浴場も好きです。

スマホでなんでもできちゃうからこそ、時間が足りなくなったりするんですよね。スマホを触れない環境こそが贅沢な時間だと思うし、あえて何もできない時間を作ることが大事。しんどいこともゆとりがあれば解消されていくだろうし、この本のメインはその辺ですかね。

文章:伊藤美咲
編集:ミニマリストしぶ